溺れる記憶
第一章
ネオンが煌めく繁華街。

曰く付きの人が入り浸る街。

そして私もその一人。

人目につきにくい路地裏の段差のとこに腰掛け、何かをするわけでもなくただ煙草を口にし道行く人を眺めるだけ。

「ねぇねぇ、暇してんの?
暇なら遊ぼうよ〜」

馴れ馴れしく腕を掴み立たせようとするが、私は断固としてその場から動かない。

まるでその場に私以外いないみたいにボーッと人を眺める。

「聞いてる〜?」

視線を感じるが無視を決め込む。

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