溺れる記憶
ミズキ先輩は一度私に振り返ると、さっきまでの怖い表情と違って優しい表情をしていた。


「アイツ等に置いてかれる前に行くぞ」


「…もう行っちゃいましたよ?」


先程まで少女達が居た場所に指を指すと、少女達は先を歩いていた。


「アイツ等…!!はぁー」


ミズキ先輩は一瞬顔を歪めたが、呆れたのかため息を吐いて苦笑した。

二人並んで歩く。

ポケットに手を突っ込みだらだら歩いてると、ミズキ先輩はいきなり腕を掴み走り出した。
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