加納欄の接触 シリーズ17
「こっち向けよ」

大山先輩の低音の声が、あたしをゾクリとさせる。

向かないあたしの首筋を、大山先輩は、唇で軽く触れる。

それだけで、あたしはドキッとし、シビレる。


し、仕事中……ですよ(>_<)!!


あたしは、声にならない声を発した。

もちろん、大山先輩には聞こえていない。

だいたい、勤務中にこんな行動を起こすこと事態が、異常なのだ。

普段の、大山先輩だったら、絶対にありえない。

大山先輩は、そのままあたしの首筋をもて遊び、唇でキツク吸い上げた。

「ンッ(>_<)!」

思惑声を出し、慌てて口を手で押さえた。


アトついちゃいますよ(>_<)


いいんですか?!


皆に、見られちゃうんですよ。


あたしの表情を読み取ったのか、大山先輩は。

「言えるものなら、言ってみろよ」

と、言った。

そして、あたしの唇を、またふさいだ。

「んんっ!大山センパ!」

「お前が悪い」

と、大山先輩が言った。


えっ?!


なに????


「大山、先輩?」

あたしは、赤ら顔になり、少し潤んだ瞳で、大山先輩を見た。

「……ごめんなさい」

なんで”悪い”のかわからなかった。

でも謝った。

こういう時は、謝ったほうがいい。

2人の先輩から得た教訓だった。

「なに謝ってんだよ」

大山先輩は、あたしの顔を見て、一瞬顔を外へ向けると、体制を元に戻し、自分のシートに座り直した。


だってだってだって(>_<)


いっつも、そぉじゃないですか(:_;)


「何が悪いのかホントにわかってんのかよ」

まるで独り言のように、タバコを手にとり、つぶやいた。


……わかってますよ(__)


……ヤキモチ焼いてるだけじゃないですか(__)


「……わかってますよ」

あたしも、シートに座り直し、少し衣服をととのえた。

大山先輩は、腕時計をチラッと見ると。

「そろそろ時間だな」

とつぶやいた。

覆面車のデジタル時計が7時10分前を表示していた。

大山先輩は、その後無言であたしを南署へ送り届けた。


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