S兄彼氏。
「はあー・・・」
とりあえず、トイレの個室に駆け込む。
・・・あぁー。
愛理の弱虫!!
いっそのこと、金指くんの答えを聞いちゃえばよかったのに!
そうすれば、変にモヤモヤすることもないじゃん・・・。

・・・もし。

もし、好きって言ったら・・・?
もし、嫌いって言ったら・・・?

・・・あたしは、どんな答えを望んでいるんだろう。
あたしは・・・

「・・・ぃりー? 愛理ー? どこぉ?」
突然聞こえてきた、あたしの名を呼ぶ声。

・・・唯?!
そうだ、待っててもらったんだ!
でも、携帯取ってこなきゃ・・・。
ちょっと申し訳なくて、おずおずとトイレから顔をだす。
その時ちょうど、廊下を歩く唯と目が合った。

「あ、愛理いた! 携帯あったの?」
「ゆ・・・唯ぃー・・・」


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