ヒミツの梓ちゃん
「真弘!」


柚子を置いてすぐ教室に走った

電話してた真弘は、すぐ切って私のところまで来た


「おはよっ梓。どうした?」


にこにこっとしている真弘


この笑顔が大好きな私

大好きなのに・・・


今は嫌な予感がしてその笑顔が恐い


「あ・・あのね、玄関の掲示板」

「・・・?・・・あぁ、あれ?」

「うん・・・真弘じゃ、ないよね!」

「俺だよ」



え?


「おかげで俺人気者~。まぁ、前もだったけど」


何を言ってるんだろう?この人は・・・


「でも約束破ってねぇぞ。名前だしてねぇもん。ただ『生徒の誰かがそうだよ。詳しくは3年の真弘まで☆』って書いただけ」


ふつふつと怒りが湧き上がる


「人気歌手が彼女って鼻が高いよなぁ。これからもずっとそばにいろよ」


またニコッと笑う

前まではこの言葉とか、この笑顔が大好きで、手放したくなくて・・・


でも今は・・・



「ムカつく」



そういって私は、真弘の顔を殴って逃げ出した





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