Turning Star
「麗、……私達が外に出てから防御壁を張るまでの、少しの間だけで良いから、
 あの霧をどうにか出来ないかしら……。
 出来れば、麗の召喚には、あまり頼りたくないのだけれど……。」


不意に、藍に声をかけられた。
その遠慮がちな声色から、明らかな申し訳なさが感じられた。



























「……藍、少しの間だけなら、私、……やってみるわ。」


少し不安はあるけれど、やるしかない。
そう思った私は、触媒となる物を探した。
黒い霧をどうにかするには、やっぱり、……綺麗な物。
何にも染められていない、自然の賜物、………そうだ!



























「藍、外へ出る直前に、少しで良いから水の結晶を作ってくれない?
 ほんの小さな物で良いの、だから、お願い。」



「分かったわ。
 それじゃあ、皆、行きましょう。」





そう言って、私達は1階へと向かった。
< 101 / 169 >

この作品をシェア

pagetop