Turning Star
私が頷いた瞬間、彼女から、溢れんばかりの澄んだ気が、
学園全体へ拡散していった。
その香りは、僅かに甘く、そして、優しかった。
息を吸い込むと、まるで、森の中にいるような錯覚に襲われた。
























「さぁ、これで外に出ても大丈夫ですよ。
 今のうちに、……藍様、水のシールドをお張りになって。
 そうすれば、敵も迂闊に攻撃出来なくなるでしょう。」



そう言って、セリーナは、まるで、空気と同化するように、少しずつ消えていき、
やがて、跡形もなく消えてしまった。































「……はぁ、これで大丈夫ね……。」


私は、徐々に身体の力が抜けてくるのを感じた。
そして、私の意志に反して、ガクンとその場に崩れ落ちた。
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