Turning Star
「もう少し、君のカードの業、見てみたかったけど、
生憎、……焦らされるのは、あんまり好きじゃないんだよね。」
カトリーヌの声が、やけに近くで響いた。
振り向くと、一人の男の影があった。
そして、煙が酷いために誰かは分からないが、おそらく麗であろう、
もう一人分の影が、隣に寄り添うようにあった。
「てめぇ、……もう許さねえ。」
俺は、そこに向かって走った。
湧き上がってきたのは、純粋な怒りだった。
麗を、そうやすやすと奪わせはしない。
というか、誰にも渡したくなかった。
「ふふ、……感情の起伏が激しければ激しいほど、そこに隙を生み出す。
だから、常に冷静であらねばならない。
君も、……まだまだ甘いね。
洗脳の基本は、相手の焦り、怒り、恐れ、そういった感情に付け込む事だよ。
そうする事で、……より乗っ取りやすくなる。」
カトリーヌの傍らにいる麗に手を伸ばすと同時、隣の人物と視線が絡み合った。
本能的に、ヤバイと思った。
けど、逸らそうと思っても、逸らせなかった。
顎を掴まれ、軽く持ち上げられ、嫌でも目を逸らせなくなる。
そして、俺の心を射抜くように、強烈な眼力が送られてくる。
生憎、……焦らされるのは、あんまり好きじゃないんだよね。」
カトリーヌの声が、やけに近くで響いた。
振り向くと、一人の男の影があった。
そして、煙が酷いために誰かは分からないが、おそらく麗であろう、
もう一人分の影が、隣に寄り添うようにあった。
「てめぇ、……もう許さねえ。」
俺は、そこに向かって走った。
湧き上がってきたのは、純粋な怒りだった。
麗を、そうやすやすと奪わせはしない。
というか、誰にも渡したくなかった。
「ふふ、……感情の起伏が激しければ激しいほど、そこに隙を生み出す。
だから、常に冷静であらねばならない。
君も、……まだまだ甘いね。
洗脳の基本は、相手の焦り、怒り、恐れ、そういった感情に付け込む事だよ。
そうする事で、……より乗っ取りやすくなる。」
カトリーヌの傍らにいる麗に手を伸ばすと同時、隣の人物と視線が絡み合った。
本能的に、ヤバイと思った。
けど、逸らそうと思っても、逸らせなかった。
顎を掴まれ、軽く持ち上げられ、嫌でも目を逸らせなくなる。
そして、俺の心を射抜くように、強烈な眼力が送られてくる。