Turning Star
「くっ、……はぁ、…………。」



「水の創世者にはね、2日前に接触した時に、少々細工を施しておいた。
 僕が合図すれば、その時の恐怖を思い出すように、ね。
 まぁ、見えない時限爆弾を抱えていた、って事だ。
 それと、君のカードなのに、何故制御が効かなくなったかは、
 ……これは、僕の能力はね返しの効果だよ。
 自分に向かってくる物に対して、その勢いや方向を自在に操れる。
 ちなみに、これは、能力の精度に個人差はあるけど、僕達闇薔薇にとっては、
 基礎段階で所有している能力だよ。」




つまりは、俺達は、こいつの掌の上で踊らされていたって事か。
少々、……いや、かなり腹立たしかったけど、それよりも、もっと大事な事がある。















「なる、……ほ、どな……。
 いや、それよりも、アイツは……。」



「愚者の事を心配しているの?
 ……それなら、心配しなくても、何度も言うようだけど、殺しはしないよ。
 ただ、少々、……召喚の能力を残しておく事が厄介なだけ。
 だから、能力を無力化したら、すぐにでも学園に帰してあげるよ。
 ……と言っても、君達は追いかけてくるだろうけどね。
 期限は、今日から1週間。
 …………せいぜい足掻きなよ。」









そう言われると同時、掴まれた顎を離され、軽くトンと身体を押される。
そうされるだけで、意志に反して崩れ落ちてしまう身体に、苛立ちが隠せない。





































煙が完全に消えた後に見たのは、意識を失っている藍と、
呆然としている恵と、そして、清々しいまでの青空だった。

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