Turning Star

愚者と罪人

~カトリーヌside~






僕は、愚者を連れて、側近達と共に、アジトへと戻った。
アジトと言っても、そこは屋敷。
そして、何よりも、僕達の存在を象徴するように、
その近辺は、年中夜のように暗く、世界のほとんどが闇色の場所。
僕達闇薔薇が、世間から迫害され、辿り着いた秘境。
屋敷は、外壁は薔薇の蔦に覆われているが、玄関だけは、
外に出て帰ってきた時に入れるようにしてある。
そして、中は、広さはそれほどでもないけど、なかなか豪華な造りだ。


























「さてと、……お姫様が目覚める前に、やる事をやらなきゃ、だね。」



僕は、彼女をとある一室に連れて行った。
そこは、眠りの間。
眠るといっても、僕達が眠る場所じゃない。
僕達に連れてこられた愚者達が、その能力を眠らせる場所。
そっと彼女を下ろし、壁に背中がつくように座らせる。
そして、少し離れて、瞼を閉じ、意識を集中させていく。
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