Turning Star
それから、どれくらい経っただろうか、不意に、意識が浮上していく感覚を覚えた。
私は、それに身を任せ、ゆっくりと瞼を開ける。
まだ、完全に脳が覚醒していなかったが、周りの状況がおかしい事に気付いた。

































キョロキョロと、周りを見渡す。
それほど広くはないが、……絨毯は綺麗だし、シャンデリアはついている。
どこかの屋敷だろうか、……私は、ぼんやりとそんな事を思った。
そして、何故か、私の身体は少し浮かび上がっていて、
しかも、立ち上がろうとしても出来なかった。
そして、動く事も全く出来なかった。

























「ここは、一体……。」


私は、ポツリと呟いた。
まだ、気だるさが残る身体に鞭を打って、懸命に状況を理解しようとした。
……けど、分からなかった。
私は、こんな場所に、全く心当たりがなかったから。

































不意に、部屋のドアが開いた。
そして、見覚えのない男の人が入ってきた。
彼は、私が目覚めた事に気付いたようで、此方に歩み寄ってきた。
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