Turning Star
「麗、……ね。
 僕は、……闇薔薇の長、そして、君を誘拐した者、……かな。」



「はぁ!?
 誘拐って、……いや、ここは一体どこなの……?」







誘拐と言われても、全く実感が湧かなかった。
どうやら、……もう少し話を聞かないと、あまり要領を得そうになかった。


























「ここは、……学園から遠く離れた、僕達闇薔薇の本拠地。
 僕が君を誘拐したのは、……君を封印するため、だよ。」


「……?
 私を封印する、……ですって?」



「うん、そうだよ。
 ……とは言っても、別に、君を殺す気はないよ。
 ただ、……君の能力は、可能性が広くて厄介だから、
 能力そのものを完全に無力化したいだけ。
 それが終われば、……すぐにでも、学園に帰してあげるよ。
 最も、能力を失った君が、あの学園で居場所を見出せるかは知らないけどね。」




命を奪われる事はない。
だけど、……何だか、妙な胸騒ぎがした。
彼の言う通りにしてはいけない、……本能が警告していた。
でも、それを表情に出せば、引き出せる情報も引き出せなくなる。
だから、……もう少し大人しくして、彼の話を聞こう。
どうせ、……こんな状況なのだから、はっきり言って、かなり暇だし。
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