Turning Star
「ねぇ、カトリーヌ、……貴方の目的は何なの?」


「んー、そうだね、……目的って言っても、かなり抽象的になるけど、
 あえて言うならば、……麗は、天候の能力の禁忌について、何か知っているかい?」




天候の能力、その正体は全く分からないけれど、……私の想像では、
その名の通り、天候を自在に操る能力だと思う。
雨を降らせたり、逆に、雲一つない晴天にしたり、時には、
雪を降らせる事も出来るかもしれない。
でも、学園にも、確かそんな能力を持った人はいなかったはず。
だから、詳しい事は、私にも全く分からない。



























「そもそも、天候の能力自体、謎が多いと思うのだけど……。」


仕方なく、私は思った事を口にした。
すると、彼は、やっぱりと言わんばかりに、苦笑した。













「天候の能力の禁忌、それは、……太陽の封印、だよ。
 ……と言っても、別に、太陽が昇らなくなるわけじゃない。
 ただ、……雲に隠れて見えなくなるだけ。
 でも、それによって、世界に光は灯らなくなる。」



「何で、……そんな事をするの?」














「……僕達は、太陽の光がとても苦手だからさ。
 とはいえ、いつまでも、こんな所に引きこもっているのも、
 僕としては酷く退屈なわけで、……それに、僕達は、もうすぐ飢えの時期を
 迎えるから。」


そう言って、カトリーヌは、クスリと笑った。
その微笑みが、この上なく不気味に感じられた。
まるで、不吉を予感させるかのように。
< 120 / 169 >

この作品をシェア

pagetop