Turning Star
「飢えの、時期……?」



「……ふふ、ちょっと喋りすぎちゃったかな。
 でも、まぁ、……こんな所にいたら、麗も相当暇だろうから、せめてものお詫びに、
 ……特別サービスで教えてあげるよ。」



そう言って、カトリーヌは話し始めた。


























「僕達は、100年に1回、飢えの時期を迎える。
 闇に堕ちている僕達は、その時期になると、普段よりも闇を欲するようになる。
 だから、こんな風にして、闇のエネルギーを増やすために、色々と準備をする。
 愚者の無力化然り、その後は、天候の能力の禁忌を使う。
 他の者達はね、ここにいるだけで満たされるよ。
 だけど、闇薔薇の長は、それだけじゃ足りないから、より多くの闇のエネルギーを
 求めて、ここじゃない新しい闇の世界を求めて、時が来たら、この屋敷から旅立つ。
 それが、……闇薔薇の長の、最高の名誉であり、使命でもある。
 …………って事になるかな、……ゴメンね、君には退屈な話だったかもね。」



そう言って、カトリーヌは苦笑した。
でも、その瞳には、闇を渇望する心が、ありありと表れていた。

< 121 / 169 >

この作品をシェア

pagetop