Turning Star
「とはいえ、彼は、昨日の昼休み、外で遊んでいて、運悪く、
 闇霧の餌食になってしまった。
 闇霧とは、此方が勝手に命名した能力の名前なのだが、
 ……あの霧に囚われると、一時的に能力が使えなくなる。
 おそらく、此方の戦力を削ぐのが目的だったのだろう。
 彼が能力を使えるようになるには、……あと2日ほどかかる。
 だから、それまでは、……皆、休憩の時間だ。
 色々ありすぎて疲れただろうから、ゆっくり休むと良い。
 宮野君は、自身の回復を待つのと、まだ事情を詳しく話し切れていないから、
 彼らに聞いておく事。
 そして、何度も言うようだが、……この件は、内密にしておいてほしい。」



そこまで言って、理事長は、ふぅと息をついた。
それと同時、厳かな雰囲気が一気に和らいだ。
とはいえ、まだ皆の表情が堅いのは変わらないけれど。





























「さぁ、長話の後は、軽くお茶にしようよ。
 父さん、先日、良い茶葉が入ったって言っていたよね?
 僕、煎れてくるよ。」


不意に、恵が、思い出したように、そう言って立ち上がり、奥の部屋へ行ってしまった。
残された私達には、何とも言えない微妙な空気が漂う。
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