Turning Star
涼の能力は、封印だ。
ドアから箱から、様々な開けたくない物に蓋をする事が出来る。
一度蓋をすれば、誰にも開けられない。
開けられるのは、術をかけた本人だけ。
まぁ、真面目な事以外には能力を使わない涼は、普段は、この通り、
書庫や倉庫など、危険な匂いのする部屋の封印を任されている。
理事長曰く、書庫には魔導書らしき書物が眠っていたりする。
また、倉庫には、禍々しい形をした杖や剣など、色々と怪しい物があるらしい。
そんなわけで、封印を施しておかないと危害を及ぼす事もある、との事だった。
































……と、まぁ、学校の裏情報の説明はこれぐらいにして、
今、俺達は、巨大な鏡の前にいる。










「理事長曰く、……この鏡の中に入れば、ラグナロクに行けるのよね?」


藍が、不安げに言った。
まぁ、鏡が異世界に繋がっているなんて、にわかには信じられない話だろう。
だが、……立ち止まっていても、どうにもならない。
















「立ち止まっていたって、どうにもならないだろう?
 たぶん大丈夫だ、…………行こう。」


内心ハラハラドキドキしていたけど、平静を装って、俺は、鏡に向かって歩いた。
ぶつかる、……事はなく、その先には、暗い一直線の道が続いていた。
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