Turning Star
「生憎、俺の能力は、自分には使えない。
 だから、……一先ずは、ここでお別れだな。
 とりあえず、森の中に送るから、その後は、どうにかしてくれ。
 …………Good Luck、だ。」



俺は、そう言い、屋敷の前まで、自身の意識を持っていく。
……が、どうやら、そう上手くはいかないようだ。
森を覆う結界か何かが、俺の能力を妨害しているようだった。
しかし、出来る限りは尽くそうと、3人に向かって手を翳した。
それと同時に、能力を放出する。
すると、3人は、どこに飛ばされたのかは分からないけど、
少なくとも、目の前からは消えた。






































「……大丈夫、だよな?」



俺は、無音の空間にポツリと呟き、その場を後にした。
ただ、ただ、3人の無事を祈りながら。
独りで帰った鏡の道は、やけに不気味だった。
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