Turning Star
~隼人side~















手を翳された瞬間、強烈な浮遊感に襲われたと思ったら、次の瞬間には、
森の中にいた。
まだ屋敷は視認できないが、おそらく、それなりの場所まで来たのだろう。
























「…………行くぞ、ここは、……気味が悪い。」



薄暗い上に、ひんやりとした冷気が頬に当たるから、寒い。
恵と藍も、自身の身体を抱くようにして、寒さから逃れようとしていた。






















何分ぐらい歩き続けただろうか、不意に、俺の足は止まった。





「どうしたの?」


後ろから、藍が心配そうに聞いてきた。
が、追いついた2人も、状況を把握したようで、深い溜息をついた。
俺達の目の前には、……一体の精霊が立ちはだかっていたのだから。
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