Turning Star
「麗の持つ精霊か?」



俺は、問いかけた。
すると、相手は、歌うような声色で答えた。























「私は、麗様の従者の一人、炎の精霊ティナよ。
 ただし、召喚したのは彼女ではないわ。
 それでも、私は、召喚主の命に従い、貴方達を倒さなければならない。
 …………あぁ、私を無視して先に進むのは無理よ。
 だって、今は、……手加減ができないもの。」



最後の方は、まるで自分の意思ではないようだった。
言い終える直前、ティナは、無数の炎の矢を作り出し、此方へ放ってきた。

































物凄いスピードで飛んできたそれを、俺達は何とか避けた。
矢が命中した木は、そこから溢れ出た炎のエネルギーによって侵蝕され、
根元から倒れてしまった。
俺達は、顔を見合わせ、息を呑んだ。
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