Turning Star
「…………っ!」



不意に、藍の身体が、ガクンと崩れ落ちた。
俺は、慌てて抱き止めたが、そのまま瞼を閉じて、意識を失ってしまった。
それを見たエリーナは、ふぅと溜息をついた。






























「……仕方ありません。
 奥義を使えば、その分、術者に負担がかかってしまいますから。
 ……ですが、そのおかげで、相手を倒す事が出来ました。
 全く、……仲間同士で殺し合いなど、皮肉なものですがね。
 …………あぁ、彼女は、一時的に眠っているだけです。
 極力、彼女には負担をかけないようにしましたから、数分もすれば、
 目覚めるかと思います。
 それでは、……私は、暫く眠る事にします。
 貴方達も、どうか御自愛を。
 無事に麗様を助け出せる事を祈っていますよ。」



言い終わると、彼女を形成していた水は弾け、辺りに飛び散った。
そして、彼女の姿は、跡形もなく消えてしまった。




























不気味なほどの静寂が、辺りを包み込んだ。
俺達は、藍が目覚めるまで待つ事にした。
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