Turning Star
「ん、…………っう……。」


何分経ったかは分からない。
不意に、藍が微かな呻き声を上げた。





















「……大丈夫か?
 ほら、立てるか?」


俺は、声をかけつつ、スッと手を差し伸べる。







「……あぁ、私、あの後、気を失ったのね。
 たぶん大丈夫だと思う、……けど、少々、立てるか不安だから、手借りるわね。」


そう言って、藍は、俺の手を握った。
そして、軽く引っ張ってやると、何とか立ち上がった。



































「……ゴメンね、迷惑かけたみたいで。」


藍は、申し訳なさそうに謝ってきた。
……けど、俺は、それをやんわりと制した。






「大丈夫だ。
 ……ていうか、藍がいなかったら、俺達の身が危うかったからな。
 正直、かなり助かったよ。」


そう言って微笑んでやると、藍も、幾分か表情を和らげた。
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