Turning Star
「藍、……本当に大丈夫?」



躊躇いがちにかけられた声に、藍は、柔らかく微笑んだ。





















「大丈夫よ、恵。
 だけど、……何だか、嫌な予感がするわ。
 さぁ、私は大丈夫だから、行きましょう。」



藍のその声に、俺達は、再び歩き出した。
そして、歩いている途中、藍に聞かれた。



























「ねぇ、……そういえば、あのカードって何だったの?」



「あぁ、あのカードは、……水のエレメントの根源だからな。
 カップのエースには、他にもたくさんの意味があるけど、中でも際立っているのが、
 属性としての意味だと、俺は思っている。
 事実、あのカードは、……前にも何度か使ったからな。
 濁流を起こしたり、逆に、水のエネルギーを抑えたり。」


「あと、他にも、風・火・大地のエレメントを持つカードもあったよね。」


「あぁ、……ていうか、よく覚えていたな。
 それぞれ、ワンド・ソード・ベンタクルスのエースだ。」


「絵が分かりやすいから、何となく覚えていただけだよ。」


「……ふうん、だから、杯に水が注がれていたのね。
 …………と、お話はどうやらここまでみたいね。」




その声に、顔を上げ、前を見据えると、そこには古びた屋敷が建っていた。
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