Turning Star
【それは違うわ。
 貴方は、まだ、それに気付いていないだけ。
 私の魂が宿りし者よ、……貴方なら、きっと立ち上がる事が出来る。
 莫大な魔力をその身に抱くだけでなく、貴方は、……私の構成した光魔法の奥義をも
 受け継ぐ素質がある。
 だから、闇に堕ちた者を救う事も出来るわ。
 あとは、……貴方が目覚めるだけなのよ。】




貴方は、……一体、誰なの?




【私は、光の巫女シャイネよ。
 私は、貴方に宿りし者。
 ……と同時に、貴方そのものでもある。
 私を目覚めさせるのは、時が来るまで良いわ。
 だけど、……まずは、この束縛を脱出しなさい。
 この、忌まわしき封印の術を、貴方の手で振り解くのよ。】






…………シャイネ、……私を目覚めさせて。
私は、大切な人を悲しませたくはない。
だけど、今の私には、全くと言って良いほど、力が入らないの。







【……意志があるのなら、私は貴方に力を授けましょう。
 私は、貴方に宿りし者であり、同時に貴方そのもの。
 貴方の全ては、私の全て。
 さぁ、……受け取りなさい。】































パァン!
何かが弾けるような、そんな音がした気がした。
同時に、私の目の前にいたカトリーヌが、息を呑んだ。








「どうして、…………どうして、封印が解けた!?」



「疲れているはずなのに、……何だか不思議だわ。
 今、私の奥底に潜む何かが目覚めた。
 ……この怒り、丁重に受け取りなさいな。」
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