Turning Star
「……確かに、正論だと思うわ。
 術者の意識に介入できない以上は、従者を狙う。
 だけど、……お生憎様、私には、火以外の攻撃は効かないわ。
 そして、空中に逃げたからって、……逃がさないわよ。」


アイザがパチンと指を鳴らすと、空気が凝固し、その場が少しずつ冷えていった。




















「くっ、…………寒い……。」


「ふふ、どうかしら?
 これでも、大分手加減している方だけど、冷呪、よ。
 高い所にいればいるほど、この術の効果を受けやすいの。
 さぁ、……観念して降りてきたら?」



アイザは、カトリーヌを挑発しているのだ。
上にいれば、冷気に身体をやられる。
……かといって、下に降りても、矢なり柱なりで串刺しにされるのだけど。
とはいっても、私が手加減するように命じている以上は、
従者はその通りの事をするから、命の危険はないけどね。





































暫く耐えていたが、どうやら限界がきたようで、
カトリーヌは、ゆっくりと下へ降りてきた。


「ふふ、貴方の手、最後まで拝見させてもらうわよ。
 次は、どうしてくれるのかしら?」



その言葉に、カトリーヌは少し考え、渋そうな表情をしつつも、
一つの答えを出した。
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