Turning Star
「来るのが、……遅いわよ。
 おかげで、私は、…………ふふ、こんばんは。」


急に、麗の口調が変わった。
そして、その瞳には残虐な色を秘め、少し怒った様子で、
此方を見つめてきた。






















「貴方は、……誰なの?」


私は、麗であって麗でない、その人に問いかけた。
間違いなく、麗は、……何者かに意識を乗っ取られていた。
しかも、その相手は、カトリーヌじゃなく、……もっと、意志の強い者。











「私は、……麗の心の奥底に宿る者。
 いや、正確には、それは二人いるのだけど、私はその片割れ。
 大昔に討たれ、その身を滅ぼした、……哀れな死神よ。」


そう言って、彼女は、フッと笑った。
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