Turning Star
僕は、透視を試みる事にした。
正直、僕の能力が戦闘向きじゃないのは、嫌と言うほど分かっている。
だけど、能力は、使い方によっては、剣にもなる事が出来るから。
僕は、相手の内なるものを探るように、じっとノアールを見つめた。
少しずつ目を凝らして、奥へ奥へと入り込んでいく。


























どんな生き物にも、核なるものはある。
人間や動物で言えば、心臓がそれだ。
生き物とはかけ離れた存在である、人形のような従者達にも、
それは言えるはずだ。
時間制限とかじゃなく、火は水が苦手なように、それを潰されたら終わり、という
何かがあるのではないかと思った。




























「……貴方の能力は、おそらく透視でしょう?
 大方、私の弱点を探り出そうとしているのでしょうが、
 ……他の従者達にはともかく、……私には通じませんよ。」



ノアールがそう言った瞬間、視界が無数の鏡に覆われ、
光が乱反射したものが全てこちらに向かってくるような、強烈な痛みに襲われた。


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