Turning Star
「だけど、……僕は、諦めるわけにはいかないよ。」


搾り出すように、僕はそう言った。






















「それは、……貴方にとって、私達の主が特別な存在だから、ですか?
 だったら、……その想いを利用する事も出来ますね……。」


ノアールは、普段の彼からはかけ離れたような笑みを浮かべていた。
意地悪く、狡猾で、……此方を探るような視線を送ってくる。
今更嘘をつく事もないだろうと、僕は、憮然とした表情で頷いた。

























「本当に出来るか、……試してみる?」


これは、一種の賭けだ。
従者達は、有り余る魔力や洞察力を持っている分、何かミスが生じると、
そこから全てが崩れていくような脆さを持っているように思えたから。
僕の精神力が勝れば僕の勝ち、僕が負けたなら、……その時は、
……残念だけど、呆気なく殺されるしかない。
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