Turning Star
「不眠症とは、ちょっと違う気がするのだけど、
 そして、何よりも不安なのが、……どういうわけか、
 原因が分からないのよ。」



「原因が分からない、んですか?」



「そうよ……。
 深い眠りに入ろうとしても、何かに邪魔されるの。
 だから、ずっとレム睡眠が続いていて、
 疲れがあまり取れなくて……。
 それで、もしかしたら、その事と、私の能力が、
 何か関係があるのではないかと思って……。
 …………あの、こういうの、駄目だった?」







麗は、不安そうな表情で見つめてきた。
その漆黒の瞳に、吸い込まれそうになる。
まるで、ブラックホールみたいだ。



























「駄目、とは?」


「いや、……こんな相談は、してはいけないのかな、と。」


「ふふ、心配してくださっているのですね。
 ありがとうございます。
 人は、常に何かしらの不安を抱えて生きているものです。
 僕は、少しでも、それを取り除くお手伝いをしたいだけです。
 だから、気持ちだけ、受け取っておきますね。」

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