Turning Star
麗の能力は、召喚である事。
触媒が必要な事は軽く流して、彼女自身の命を犠牲にする事。
そのために、召喚の能力は、極めて高いという事。
しかし、召喚をする度に、彼女が意識を失ってしまうという事。
ここ数日の不眠症らしき症状は、彼女の中に潜む精霊の一人、
ティアが引き起こしたものであるという事。
そして、この学園に迫る悪に対処するには、彼女の能力が
絶対に必要である事。




























「そんな……。」



藍は、口元を手で押さえ、綺麗な涙を零す。
俺達でも、この事実を知らされた時の衝撃は大きかったのだから、
彼女なら失神してしまってもおかしくはない。













「俺も、召喚なんていう能力は、文献で読んだ事はあったが、
 見た事はなかったから、初めは信じられなかったさ。
 だが、俺が占った運命と照らし合わせると、
 どうしても、正しいとしか言えない。」



「それでね、彼女の事は、僕達も見守っていくつもりだけど、
 やっぱり、一番身近な同室者、桜田さんには知っておいてほしかった。
 一番身近だから、彼女を守ってあげられる。
 すぐには受け入れられない話だとは思うけど、分かってほしいな。」
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