Turning Star
「隼人と、あと恵っていう子の話によると、
 【彼女がそれを口にした瞬間、カードの中から、
 綺麗な女の人が出てきた。
 そして、その女の人によると、自分は風の精霊ティアで、
 彼女に呼び出されるのを待っていたらしい。
 それから、色々話していたけど、最終的には、
 彼女を守ってほしい、と。
 学園に迫る悪を倒すためにも、彼女の召喚能力が絶対に必要だ、って。
 その時に、命を犠牲にするとか、彼女の召喚能力についても
 話していた】そうよ。
 私も、にわかには信じられなかったわ。
 あの2人は少々気まぐれな人達だけど、そんな重大な事において
 嘘をつくような人じゃないから。
 ……それで、私に話しておいてほしいんですって。
 全く、……私は、こんな話したく……ない、のに…………。
 ……ひっく、…………こんなの嫌だよ…………。」













藍は、最初は強がって涙を堪えていたけど、
最後には泣いてしまった。
私は、彼女の様子を見ている事だけしか出来なかった。























いつも明るくて冷静沈着な藍が、取り乱して泣くなんて、
はっきり言って、めったにない。
まるで、夢でも見ているのかと思った。
だけど、これは、どうしようもない現実。
そう、思い知らされたような気がした。
だけど、何故か、私の心は冷静だった。
いや、それこそ強がりなのかもしれないけど。
< 45 / 169 >

この作品をシェア

pagetop