Turning Star
「…………そう。」




「そう……、って、何でそんなに冷静なの!?
 良い? あんたは、いつ死んでもおかしくないの!
 その事実を、そんなにあっさり受け止められる!?
 それでも冷静でいられるのなら、……あんた、おかしいよ……。」
















そう、可笑しいと思うのが当たり前。
だけど、私には、こんな反応しか出来ない。
だって、私は、別段夢も何も持っていないから。
仮に、唯一あるとすれば、それは……。


























「私は、私の言葉を誰かに伝えられたら、
 それで十分だから。
 ……心配してくれるのは嬉しいけど、
 藍がそこまで思い悩む必要はないのよ?」




そんな言葉しか返せない私は、本当に馬鹿だと思う。
親友に対しても、失礼なのは分かっている。
だけど、心の奥底にいる私は、モノクロの私。
空の色も、雲の色も、花の色も、月の色も、星の色も、
何も映さない。
ある意味、何もない状態から生み出すからこそ、私の言葉は生きるのだと思うけれど。
そう、私の心は、まるで霧がかかったように霞んでいるのよ。
まるで、その奥にあるものを隠すかのように。
< 46 / 169 >

この作品をシェア

pagetop