Turning Star
酷く感情が昂った様子で、藍は続けた。



「あんたには、伝えたい言葉があるでしょう?
 それを伝えるまでは、絶対に死んじゃ駄目。
 心の中で思っているだけで通じるなんて思ったら、
 大間違いよ。
 ちゃんと言葉にして伝えなきゃ駄目。
 あんたの喜び、悲しみ、寂しさ、楽しさ、慈しみ、
 全部全部受け止めてあげるから。
 お願い、……もう二度と言わないから……。
 もっと、自分の命を大切にして。
 もっと、誰でも良いから、信じて。
 もっと、他人に愛されている事を知ってほしいの。」
























藍の言葉が、胸に響く。
そうだ、確かに、あの時私は。






≪疑うだけじゃ駄目。
 もっと信じよう、これからは。≫





そう思ったのに。
眠りにつく時に置いてきてしまったのなら、
深海にダイビングしてでも取りに行かなければならない。
それくらい、私にとっては大切な宝物だから。
こんな悲しそうな藍の表情を、もう見たくないから。
そして、何よりも、私自身が思った事だから。



もっと、自分の気持ちに忠実に生きなきゃ、だね。



そう思ったら、私の目から温かいものが溢れ出した。
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