Turning Star
Cクラスの皆は、優しい。
だから、私の様子を見て、ある子は手を止め、
また別の子は喋るのを止め、此方を向いてくれた。
それを確認して、私は切り出した。




















「実は、私、……能力が目覚めたの。」



その言葉を聞いて、皆はどよめいた。
……当然だとは思う、だって、昨日の今日だもん。
驚かない方がおかしい。






























「私の能力は、召喚。
 例えば、……そうね。
 ……貴方は、いつも私を優しく照らし出す。
 その響きは、甘く、切なく、そして哀しく。
 私の涙を誘い、永遠を望む私の心を、捕えて離さない。
 薄暗い森の中、湖面に映る満月は、
 静まり返る中で、妖艶に輝くの。
 ……月神ノアールよ、我の元に来たれ。」


私が、いつでも召喚できるように、触媒として持つ事にした、
星のカードから、ノアールが現れた。
その美しさに、誰ともなく息を呑んだ。
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