Turning Star
「…………あの、……主にこのような事を言うのは、
 大変恐れ多い事ではありますが……。
 貴方様は、召喚をする度に、命が削られていくのですよ?
 その自覚がないなら、改めて言っておきます。
 貴方様の命は、私達を召喚する度に、少しずつ寿命が縮まっています。
 つまり、私が言いたいのは、…………召喚すべき時に、
 きちんと召喚が出来なければいけない、という事です……。
 そして、重要な面で以外は、貴方様の身のためにも、
 むやみに召喚能力を酷使しないでくださいませ……。」




「……今は、大事な時よ。
 だって、大切な仲間とのお別れの時間なの。
 これまで、この子達と、編入してからずっと一緒に過ごしてきた。
 他のクラスの人達からは、酷く迫害されたけれど、このクラスは違うわ。
 皆、温かくて優しい。
 私は、こんな性格だけれど、ちゃんと皆の事を分かっているわ。
 こんなにも温かい仲間に囲まれていたのだから、
 最後くらい、今まで何も出来なかった分、お礼したいの。」




「……そうですか。
 貴方様の、その強い覚悟、しかと見届けました。
 ですが、……どうか御自愛を……。」




「ありがとう。
 ……気持ちだけ受け取っておくわ。」











そう言って、指をパチンと鳴らすと、ノアールは、
私の言いたい事が分かったのか、光のカーテンに包まれ、消えて行った。



























深く、重苦しい沈黙が続く。
どれほど時間が経っただろうか、不意に、生徒の一人が口を開いた。











「何も出来なかったなんて、そんな事言わないで……。」



すると、他の生徒達も、我に返ったように、次々と口を開く。
< 55 / 169 >

この作品をシェア

pagetop