Turning Star
ざっと教室を見渡してみると、見覚えのある人物が一人いた。
若干躊躇いつつも、私は、彼に声をかけた。
勿論、小声で、だけどね。

























「昨日ぶりね、……おはよ。」



「あぁ、そうだな。
 このクラスに来たって事は、ちゃんと目覚めたって事だよな?」



「誰かの言う通りになるなんて、私の柄じゃないけどね。
 それよりも、私の席はどこなの?
 朝は、座っていないと、立ちくらみでも起こしそうなのだけど。」



「あぁ、席なら、……俺の後ろだ。」








そう言って、彼、隼人は、自分の一つ後ろの席を、
コンコンと人指し指で突いた。
これは、彼なりの配慮と取って良いのかしら……。
というか、思っていたよりも話しやすいかも?
……とはいえ、精神的に色々と参っていた私は、
早々に考える事を諦め、席に着いた。
< 62 / 169 >

この作品をシェア

pagetop