Turning Star
「何か、……かなり静かだよ、ね……。」



今日は、本を持ってくるのを忘れてしまったので、
前の席の隼人に話しかけた。
……けど、振り向いた彼に、不覚にも心を奪われてしまった、かもしれない。

























整った顔が、憎らしいほど綺麗だ。
間近で見ると、尚更そう感じさせる。
少し切れ長だが、穏やかな印象を醸し出す瞳。
ツンと立った鼻筋に、ふっくらとした口元。
髪は、黒のセミロングだが、ストレートなため、
冷房の風に当たって、さらさらと靡いている。
そして、彼の髪が風に靡く度に、仄かに甘いような、
だけど、サッパリとした香りが、鼻孔をくすぐった。
あれ?
でも、何か、どこかが昨日とは違うような……。
……まぁ、でも、これだけ見た目が良ければ、きっと、相当女の子には
受けが良いだろうな。
そう思った瞬間、何だかモヤモヤした。





































…………私、どうしちゃったのかな……。
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