Turning Star
「彼らは、……闇薔薇、だ。」



「闇薔薇、って…………?」



「能力には2種類ある。
 世間一般的な能力、要するに、表の面がこの学園にいる者達が持つ能力。
 そして、表には現れる事のない、裏の面、それが、……闇薔薇達の持つ能力だ。
 闇薔薇は、能力開発で生み出された弊害のようなものだ。
 危険な能力を持つが故に、世間から迫害され、
 生きる場所を見出せない者達。
 そういった者は、ごく少数ではあるが、
 闇薔薇という組織を創った。」



「…………なるほどね。
 それで、闇薔薇がここを狙う目的は何なの?
 その話を聞く限り、無差別、とは考えにくい……そうだよね?」



無差別なら、一般人を巻き込んでも良いはずだ。
だが、今の所、そんな被害の報告はない。
彼らは、この学園に的を絞っている、そう考えた方が自然だ。































「ふぅ、……我が息子ながら、つくづく感心させられるな。
 その洞察力、……あぁ、その通りだよ。
 彼らの目的は、…………希望の封印だ。」



「……?
 …………希望って……?」



「……愚者の事だよ……。」



「っ!?」




急に、口調が変わった。
これは、父さんの声じゃない。
誰かが、父さんの意識を乗っ取った?
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