Turning Star
「……さっき、闇薔薇の者達は、危険な能力を持つが故に迫害された。
 そう言っていたけれど、実感が湧かないよね?」



「…………。」




沈黙を肯定と取ったのか、カトリーヌは、更に続けた。












「だから、実演、してあげるよ。」



そう言って、数秒後、父さんは苦しそうに呻き出した。
やがて、自身の身体を支え切れなくなり、足元がおぼつかなくなり、
崩れ落ちた。















「…………っ!?」


俺は、父さんに駆け寄った。
瞼を閉じて、意識を失ってはいるが、脈はあった。
それと同時に、再び、彼は話し出した。















「大丈夫、殺してはいないよ。
 ま、愚者には、この程度じゃ足りないけどね。
 ……っと、そろそろ戻らなきゃ、ディアナに怒られちゃうな。
 で、…………返事は?」



「…………乗らない。」



「……そう。
 君、結構頭は切れると思ったけど、思い違いか。
 まぁ、僕にはどうでも良い事だけどね。
 それじゃ、……二日後に、また会おう。」
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