Turning Star
その言葉と同時に、プツンと糸が切れたように、
父さんの身体は、床に倒れ伏した。
どうやら、完全に意識を失っているようだった。
とりあえず、楽な体勢にしてあげて、起きるまで待つ事にした。























それまで、色々と考えた。
闇薔薇の目的は、愚者の封印。
でも、命を奪うような事はしないと言った。
という事は、封印とは、存在の抹消ではなく、能力の完全な無力化。
だからといって、そう簡単に、愚者を渡すわけにはいかない。
愚者だけが、唯一、闇薔薇の陰謀を阻止できるのだから。
それ故に、狙われるのだけど。
そして、その奥に、もっと根本的な目的が隠されているような気がしてならない。
































薔薇というと、どちらかというと、プラス面の感情、もっと言えば、
愛情や、その類の甘美な想いを連想させる。
カトリーヌの場合、愛情というよりは、陶酔の方がしっくりくるかもしれない。
だから、……闇薔薇とは、……闇を愛する者達の心を表したもの……?
愚者を封印した後、彼らが求めるものは、……闇?
光を消す事、……言い換えれば、世界を闇で覆う事、……まさか……。






「まさか、……だよね…………?」




僕が想像し得る、最悪の展開、それは…………。
























「このままじゃ、…………太陽が死んでしまう……。」
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