Turning Star
「確か、俺は、闇薔薇の話をしていた、……んだったよな?
 その途中で、急に意識が遠くなって……。
 …………その後の記憶が、全くないな。」



やっぱり、記憶を消されている?
でも、ここまで覚えているだけでも、まだ良い方なのかな。
……相手の意識を乗っ取るなんて、恐ろしい能力だよね。
まぁ、この学園にも催眠に長けた人はいたはずだけど、
ここまで強力な能力を持った人は、…………いなかったよね……。
























「……そっか。
 父さんはね、……カトリーヌに洗脳されていた。」


「なっ……。」



父さんは、酷く動揺しているようだ。
……まぁ、当然だよね……。





















「急に、がらりと声も口調も変わったから、おかしいとは思ったけどね。
 父さんが覚えていない事からして、どうやら、本当みたいだね。」



「はぁ、……結界が破られつつある。
 その影響が出ているって事か、…………情けないな、俺は。」




その表情からは、明らかな自嘲の色が見て取れた。
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