Turning Star
「……そんな事はないよ、父さん。
 今までも、この学園を守ってくれていた。」


「でも、……実際、こんな事態になっている。」



そう言って肩を落とす父さんに、僕は、精一杯の励ましの言葉をかけた。
あの人みたいに綺麗には出来ないけれど、……言葉は声に出して伝えないと
いけないから。
そうしないと、きっと後で後悔するから。



























「そもそも、人間っていうのは完璧じゃない。
 生理的早産、……この言葉の意味、知っているよね?
 人間は、誰もが不完全な状態で生まれてくる。
 完璧な人間なんていない。
 だから、失敗する事だってある。
 それは、……仕方ないと思うよ。
 そんな時は、僕達に任せてくれたら良い。
 …………ねぇ、前に教えてくれたよね?
 人は、支え合って生きていく生き物だ、って……。」



綺麗事かもしれないけれど、僕は、こんな生温い言葉を信じたい。
互いに支え合って、励まし合って、向上していけたら良い。
傷の舐め合いは御免だけど、こんな風に、良い関係を築いていけたら良いな、って
そう思う。
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