Turning Star
「…………そうだな。
 こんな少しの事で動揺するなんて、それこそ、学園の理事長らしくない。
 もっと毅然とした態度を取らなければならないな。
 ……それにしても、お前、それは随分と前に言った事なのに、
 …………まだ覚えてくれていたのか。」


「その意気だよ。
 ……それじゃあ、僕は、夜に話す事を整理しなきゃいけないから、
 そろそろ行くね。
 いざとなったら、僕達を頼ってくれても良い。
 寧ろ、一人で抱え込むなんて水臭いよ。
 …………次に会うのは戦場で、かな?」




最後に、少々不吉な言葉を言いながら、シニカルな微笑みを見せると、
父さんは肩を竦めたけれど、あながち間違いでもないな、という表情を見せた。















「……そうかもしれないな。
 それじゃあ、またな。
 恵、……俺は、いつでもお前の事を思っているのだからな。
 それは忘れないでくれよ。」





その言葉を聞いて、僕は、理事長室を後にした。
僕が微かに微笑んだのを、たぶん、父さんは知らないだろうけど。
僕も、……父さんは、いつも僕の自慢の父さんだよ……。
心の中で、そう呟いた。
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