Turning Star
「そんな事ないわ。
 あんたは、素晴らしい能力を持っているのよ。
 要は、あんたを敵に渡さなければ良いだけ。
 だから、あんたが、そんな顔をする必要はないわ。
 大丈夫、あんたは、……絶対に、私が守るから。」



藍、……あんたには、今までもたくさん助けてもらった。
だから、あんまり無理はさせたくない。
でも、これからは、もうちょっとだけ甘えるようにするね。













「まだ会って間もないけど、僕も力にならせてよ。
 あんまり攻撃には向かない能力だけど、ちょっとでも力になりたい。
 ま、戦線協定結んだ事だし、……どうぞよろしく、……ね?」



……そうだね。
攻撃に向かないなんて、私は全然気にしてないよ。
恵は、ちょっと捻くれているけれど、根は悪くないと思う。
だから、宜しくしたくない、なんて事は言わないわ。


















「あんたは、今までの奴らとは違うと思った。
 媚びたり、擦り寄ってきたりしないから。
 それに、あんたは、…………純粋に、綺麗だと思う。
 だから、俺は、あんたの事嫌いじゃない。
 カードを攻撃に使うってのは、かなり久しぶりだけど、
 ……なるべく守ってやるよ。
 だから、いい加減覚悟を決めろ。
 あと、……俺達を巻き込んでしまった、なんて思うな。」




…………何て俺様な発言だろう。
でも、不思議と、心が穏やかになっていく。
それに、何だか、……嬉しいと思っている自分がいる。
それが、妙に悔しくて、心のどこかで納得してしまったりもしている。
本当に、この人は、よく分からない。
クールなだけじゃなくて、実は照れ屋で、それに優しいのかな。
感謝を示すと同時に、何だか、心の奥の何かが疼いた、……気がした。


< 95 / 169 >

この作品をシェア

pagetop