切ナクテ、恋シイ、ヒト。
ちょっと!
ここ繁華街のど真ん中!
みんな見てんやないの!
何やってんのよ!
それでも彼はお構いなしだ。
彼を押しのけようとしても彼の力のほうが強くて払いきれない。
真冬だと言うのになんでこんなに暑いんよ・・・
もう・・・。
そしてアタシを抱きしめたまま耳元でこう囁いた。
「次、楽しみにしてるから」
払おうとしていたアタシの力が抜けていく。
手元のブラックティーがやさしく揺れる。