切ナクテ、恋シイ、ヒト。
・傷つくアタシ
「あの・・・
おはようございます」
アタシは通学バスの中で声をかけた。
「あ・・・
おはようございます」
彼は少し驚いたように、
でもすぐアタシだとわかってくれたのか笑顔で返してくれた。
この時間、この通学バスで知った彼の横顔は侑くんと似ていた。
彼自身に惹かれたのか
侑くんに似ていたから惹かれたのか
そんなの・・・。
アタシはいつまで彼の面影を追っているんだろう。
でもこうしている間。
一瞬でもあのときに戻れるような気がして。