切ナクテ、恋シイ、ヒト。
「・・・あ・・・」
アタシは言葉が出なくて
彼の顔を見つめているだけで精一杯だった。
「なにか・・・あったのか?」
その彼の言葉に
耐え切れず涙がこぼれた。
人がたくさん行き交う街中で泣き出すなんてサイテーだ。
アタシの気持ちを知られてはいけない
・・・なんて思いながら。
こんなんじゃ余計に・・・。
でも理性が働かない・・・・。
「・・・アタシ
・・・アタシ・・・」
「なに?」
彼はアタシにハンカチを差し出しながら聞いた。