切ナクテ、恋シイ、ヒト。
女子校に男子は珍しいから人がどんどん増えてくる。
しかも彼は人目を引くほどに端整な顔立ちをしている。
なんかひそひそ話されてるような・・・。
アタシは周りが気になって立ってるのもやっとだった。
でも彼は余裕で周りの女子に笑いかける。
「きゃっ」と嬉しそうな声を
あげて赤くなる女子たち・・・。
あーもう・・・。
アタシは廊下に立ち尽くし天井を見上げた。
アタシは彼をどこかへ連れて行こうとかいう気力も
なくしてしまった。
がっくりと肩を落とすアタシに
彼はトドメを刺した。
「ほら、これ。制服のリボン。
オマエあん時忘れてっただろ?」