切ナクテ、恋シイ、ヒト。

周りはまだ会議までに時間があったからか賑やかで

アタシの怒鳴り声に誰も気づかなかった。


「どんな男だったら・・・」


そう奴が言いかけたときアタシは思わず手が出た。



バシッ!!



ソイツの頬をひっぱたいた。


初対面の人間をひっぱたくなんてとんでもないことだけど

それ以上にソイツの言葉は酷いと思ったから。


「あんたみたいな失礼な奴大嫌い!」



アタシはそう怒鳴ったあとも怒りが収まらなくて

今度は右手の甲をひっかいてやった。





ちょうどそのとき松久保さんが帰ってきた。


「ごめん、ごめん。遅くなって・・・」


そう言いながら
彼女はアタシとその男の間に尋常でない空気が流れてるのに気づいた。

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