[原作]3年ライバル
「おめでとう」
気のない祝福の言葉を言うと、プロコはあたしの頭に大きな手をおいた。
「ひぃ!!やめてよ」
頭を触られるのは本当に誰でも嫌なんだから。
あたしの奇声にプロコは目を真ん丸にして手を退けた。
あ。あたし涙目になってるんだ。
「そんなに嫌?」
心なしかがっかりしたようなプロコの声。
頭を触られるのは泣くほど嫌。
声をなしに頷くと「そか」と息を出すみたいな声でプロコ、奥平は帰っていった。
そんなプロコの後ろ姿も見ないであたしは家に急ぐ。
だいっきらいだった三年間。