ヴェンドランドの女神
嵐の気配
山は暗くなり始めていた。



"ポツリッ・・・・、ポツリッ・・・・"


嵐の気配だった。



ロディックは考えていた。


"もう戻れない"


立ったままじっとしているロディックを見て、エリスは言った。


エリス「どうしたのっ、ロディック叔父様?・・・・・・今日も私に剣を教えてくれるのでしょう・・・・・・」


ロディック「ええっ・・・・・勿論!」



・・・・・・・・・・数時間前。





ミカエル「私が・・・・・・・・想像した以上の・・・・侮辱、そして裏切りであり・・・・・・耐えがたい屈辱だ。私は許さない!ロディックよ・・・・・・・・・これは・・・・・・私とお前だけの秘密だ・・・・。」


ロディックは団長になる前から・・・・、剣の腕を全団長に見込まれ、ミカエルには教えられる限りのすべてを教えてきた。


ミカエルの剣の才能・・・・・・・それは、ロディックが見てきた誰よりも凄まじかった。

・・・・努力をすることは・・・・・ミカエルには無縁だった。


そんなミカエルだったが・・・・・・ロディックは気づき始めていた。


マリアンナの為に・・・・・ミカエルが自分を変えようと、必死に努力していた事を。


ロディックも、いつかはミカエルが・・・・・・・・バーンズ三世の様になってくれたらいい・・・・・・そんな儚い期待を抱き始めた頃だった。
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